オオカミ


12/11/2022

オオカミ(狼、英: wolf、学名:Canis lupus)は、ユーラシア大陸と北アメリカに生息する大型のイヌ属の哺乳動物で、ハイイロオオカミとも呼ばれている。30以上の亜種が認識されており、口語的に理解されているハイイロオオカミは、家畜化されていない野生の亜種で構成されている。オオカミは現存するイヌ科の動物の中で最大の動物である。また、他のイヌ科の動物とは、耳やマズルがあまり尖っていないこと、胴体が短く、尾が長いことで区別される。しかし、オオカミはコヨーテやゴールデンジャッカルなどの小型のイヌ科動物と近縁であり、それらの動物との間に生殖能力のある交配種を生み出している。オオカミの帯状の毛皮は通常、白色、茶色、灰色、黒色が混ざっているが、北極圏の亜種はほとんど白であることもある。 オオカミはイヌ属の中で最も協力的な狩猟に特化しており、大きな獲物に挑むための身体的適応や、より社会的な性質、高度な表現行動などがそれを示している。オオカミは、交尾したペアとその子供からなる核家族で移動する。子は性的に成熟すると、また群れの中での餌の奪い合いに応じて、それぞれの群れを形成するために離れることがある。また、オオカミには縄張り意識があり、縄張りをめぐる争いがオオカミの主な死亡原因となっている。オオカミは主に肉食性で、角を持つ大型哺乳類のほか、小動物、家畜、腐肉、生ゴミなどを食べる。単独のオオカミやつがいのオオカミは、一般的に大きな群れよりも狩りの成功率が高くなる。狂犬病ウイルスをはじめとする病原体や寄生虫がオオカミに感染する可能性がある。 世界の野生オオカミの個体数は2003年には30万頭と推定され、国際自然保護連合(IUCN)では「軽度懸念」とされている。オオカミは人間との交流の歴史が長く、ほとんどの牧畜社会では家畜を襲うことから軽蔑され狩られてきたが、逆に一部の農耕社会や狩猟採集社会では尊敬されてきた。またオオカミは、家畜やペットである犬の祖先とも言われている。オオカミに対する恐怖心は多くの人間社会に存在しているが、記録されている人間への襲撃の大半は狂犬病にかかった個体によるものとされている。オオカミは比較的数が少なく、人から離れた場所に住み、ハンターや牧場主、羊飼いとの経験から人間を恐れるようになっているため、人間を襲うことは稀である。